全身の骨が折れるワルツ
線路は続くよどこまでも
肉は朽ちるが骨は残るぞ いつまでも
極寒のシベリアで凍える身体を寄せ合いながら
ワルツを踊るふたりの恋人がおりました
この三拍子を踊りながら二人は固く抱き合い
列車に飛び込んだのです
それでは最期にふたりが踊ったワルツをお聴き頂きましょう
骨が折れるまで強く強く抱き締めて
全身の骨が折れるワルツ
※
腹よじれ
頚(くび)もねじれ
弾ける肉体
ワルツがふたりを
踊り狂わせ
汁と骨が散る
骨が軋む折れるワルツ
これは愉快バラバラ
どうぞこのまま
眠らせて億年
いつか誰か拾い集め
繋がる日が来たら
ふたりでひとつの
カラダにして
※
嗚呼、今は離れ離れになる定めの恋人よ
しかし悲しむことなどありません
ふたりで行った思い出のスミソニアン博物館
あのちぐはぐでデタラメな骨格標本たちのように
時を越えていつか必ずふたりは巡り合い
あの思い出のワルツを踊るのです
嗚呼、ワルツが聴こえてくる!
死後もなお永遠に踊り続ける二人のワルツ
骨まで愛して、骨だけ愛して、骨の私を愛して、
全身の骨が折れるワルツ
※〜※
全身の骨が折れるワルツ作曲:佐藤真也
作詞:蜂鳥あみ太=4号
通販:蜂鳥あみ太=4号×佐藤真也作品集「地獄仏歌曼荼羅<じごくシャンソンまんだら>」
Spotify:地獄仏歌曼荼羅<じごくシャンソンまんだら>
Apple Music:地獄仏歌曼荼羅<じごくシャンソンまんだら>