セックスの虜のバラード/Ballade von der sexuellen Horigkeit
悪魔にも見捨てられて 極悪非道そのもの
そんな男が死んだのは 女の股座の間
よくある事さ人は 誰もが 異常性欲信奉者
主(あるじ)を持たず 法にツバを吐き
挙句 塗りたくる 人一倍小心者で
心を開かない
ところが 夜に紛れれば
同じ股の穴のムジナ
誠実さのカタマリで 虫も殺せないヤツが
メスのニオイに誘われ 気付けばバラされて 死んだ
よくある事さ人は 誰もが 異常性癖信奉者
どんな聖者も 道徳家も
口を揃えたように 綺麗事を並べ立て
本音は語らない
ところが 夜にゃ別の顔で
同じ股の穴のムジナ
お楽しみが済んだなら お代の時間 引き換えに
支払うものは ただひとつ 今更命乞いなど 遅い
涅槃などありはしない 誰もが 異常性欲信奉者
生まれたままの姿で 張り付けにされたとて
そんな仕打ちすらご褒美と 涎を垂れ流す
挙句にゃ ひとり果てると共に
同じ墓の穴のムジナ
セックスの虜のバラード/Ballade von der sexuellen Horigkeit作曲:Kurt Weill(クルト・ヴァイル)
作詞:Bertolt Brecht(ベルトルト・ブレヒト)
訳詞:蜂鳥あみ太=4号